第8講 第2章まとめ演習|共テ公共・政経ゼロから8割講座

第8講 第2章まとめ演習|共テ公共・政経ゼロから8割講座

共テ公共・政経ゼロから8割講座 / 第2章・第8講

第2章まとめ演習

答えを覚えるだけでなく、「どこが違うか」「なぜそう考えるか」を説明できるようにしましょう。第5〜7講の内容を、正誤36問・資料8問で復習します。

解きたい項目だけ開けます。まず自分で答えを選び、根拠を考えてから答え合わせをしましょう。

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演習の進め方・解説の読み方

① 文章を分けて判断する

正誤問題は、全体が正しければ○、一部でも誤りがあれば×です。誤りが複数ある場合は、すべて直しましょう。○の問題も根拠を説明できるか確認してください。

② 資料問題は、問いから読む

求めるものを確かめ、必要な数字や条件を選びます。「総議員か出席議員か」「全体か配慮が必要な人か」など、分母を決めてから計算しましょう。件数と割合も分けて考えます。

③ 答え合わせの後に復習する

答え合わせを押すと正誤と解説が表示されます。赤文字は訂正や答えの要点です。説明を読んでから「もう一度解く」で再挑戦できます。

自動判定は選択した答えのみです。訂正・根拠の記述は解答例と比べて自己点検してください。記入したメモはこの画面だけのもので、再読み込みや移動で失われることがあります。

根拠メモは再挑戦時にも残ります。書き直したいときは入力欄を編集してください。

正誤① 民主政治と思想家|T1〜T6・6問

T1 立憲主義と法の支配

立憲主義は、憲法によって国家権力を制限し、人権を保障する考え方である。

法の支配も権力者を法に従わせる原理であるため、多数決で法律を成立させさえすれば、その法律による人権制限は内容を問わず正当化される。

答えを1つ選んでください

T1の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:多数決で法律が成立しても、人権制限が内容を問わず正当化されるわけではない。

どこを確かめる?

前半の立憲主義と法の支配の説明は正しいです。問題は「法律になれば何でもよい」と結論づけた後半です。憲法は、多数派が行使する国家権力にも制限をかけます。

理由を説明してみよう

例えば、政府批判を一律に禁じる法律を多数決でつくっても、表現の自由を侵害する問題はなくなりません。決め方と内容の正当性を分けましょう。

第5講の解説で復習する

T2 自然権と社会契約説

自然権は、人が生まれながらにもつと考えられた権利であり、国王の恩恵として与えられる権利とは異なる。

社会契約説は、人々の合意・契約によって国家の成立や統治の正当性を説明する考え方であり、実際に全員が契約書に署名したという歴史の説明ではない。

答えを1つ選んでください

T2の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:自然権は生まれながらの権利。社会契約説は合意によって統治の正当性を説明する考え方。

どこを確かめる?

自然権は国王からの贈り物ではありません。国家より先に権利があると考えるため、国家の都合で自由に取り上げてよいものではないのです。

理由を説明してみよう

社会契約説の「契約」は、全住民が実際に署名したという史実の説明ではありません。国家の権力をなぜ正当と考えられるのか、という問いへの説明です。

第5講の解説で復習する

T3 ホッブズとロック

ホッブズは『リヴァイアサン』で、争い合う不安定な自然状態を考え、生命の安全と平和のために強い主権者を必要とした。

また、政府の権力乱用に対する人民の抵抗権を説いた『統治二論』も、ホッブズの著書である。

答えを1つ選んでください

T3の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:『統治二論』と抵抗権は、ホッブズではなくロックに結びつく。

どこを確かめる?

ホッブズが『リヴァイアサン』で、争いのある自然状態から生命の安全と平和を確保するため強い主権者を重視した、という前半は正しいです。

理由を説明してみよう

ロックは、政府に委ねた権力が自然権の侵害に使われた場合の抵抗権を説きました。人物・著書・政府を設ける目的を一組で確認しましょう。

第5講の解説で復習する

T4 ロックと抵抗権

ロックは、生命・自由・財産などの自然権を保護するため、人々が政府に権力を委ねると考えた。

したがって、政府が委ねられた権力を乱用する場合には、人民の抵抗権が認められるのであり、政府が自然権を自由に与えたり取り上げたりできるという説明ではない。

答えを1つ選んでください

T4の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:政府は自然権を守るために権力を委ねられ、乱用すれば人民の抵抗権が問題となる。

どこを確かめる?

生命・自由・財産などを守るためにつくられた政府が、かえってそれらを侵害したら、本来の役割に反します。そこで抵抗権が認められると考えます。

理由を説明してみよう

自然権を政府が新しく配るのではありません。「権利を持つ人民→保護を委ねられた政府」という順序を押さえましょう。

第5講の解説で復習する

T5 ルソーの一般意志

ルソーは『社会契約論』で、一般意志に従って人民自身が自らを治める人民主権を説いた。

一般意志とは個々人の私的利益を寄せ集めた全体意志のことであるため、多数決で得られた結論は、その内容にかかわらず一般意志と同じである。

答えを1つ選んでください

T5の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:一般意志は共同体の共通利益を目指す意志で、私的利益を集めた全体意志とは異なる。多数決の結論が無条件に一般意志になるわけでもない。

どこを確かめる?

訂正は二つあります。一般意志と全体意志の同一視、そして多数決との無条件の同一視です。『社会契約論』と人民主権の説明は正しいので残します。

理由を説明してみよう

クラスの多数が自分だけ掃除を免れようとして少数に押しつけても、それが共通利益とは限りません。ただし一般意志と立憲主義は別の概念であり、同じ用語として覚えないようにしましょう。

第5講の解説で復習する

T6 モンテスキューと権力分立

モンテスキューは『法の精神』で権力分立を説き、立法・行政・司法を分けて相互に抑制させることを重視した。

国民主権は最終的な決定権の所在、立憲主義は権力の制限、権力分立はその制限を支える機構に関わり、三権が互いに一切関係をもたないという意味ではない。

答えを1つ選んでください

T6の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:立法・行政・司法を分け、互いに抑制する。三権が無関係になるという意味ではない。

どこを確かめる?

『法の精神』と権力分立を結びつけます。権力を分けるだけでなく、相互の抑制によって集中と乱用を防ぐことが目的です。

理由を説明してみよう

国民主権は最終的な決定権の所在、立憲主義は権力の制限、権力分立はそれを支える仕組み。何についての言葉かを区別すれば混同を防げます。

第5講の解説で復習する

正誤② 人権保障の歴史|T7〜T9・3問

T7 イギリスの人権保障の歴史

1215年のマグナ・カルタは王権を制限する出発点であり、全住民の平等を完成させた文書ではない。

1628年の権利の請願は議会の同意によらない課税や不当な拘禁などに反対し、1689年の権利章典は王権を制限して議会の権限を確認した。

答えを1つ選んでください

T7の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:1215年のマグナ・カルタ、1628年の権利の請願、1689年の権利章典を区別する。

どこを確かめる?

マグナ・カルタは王権制限の重要な出発点ですが、全住民の平等を完成させたわけではありません。主として貴族などの権利を守る性格がありました。

理由を説明してみよう

権利の請願は議会の同意のない課税や不当な拘禁への反対、権利章典は王権の制限と議会の権限の確認です。王権が段階的に制限される流れで整理しましょう。

第5講の解説で復習する

T8 宣言と現実の権利保障

1776年のアメリカ独立宣言は自然権と被治者の同意に基づく統治を主張し、1789年のフランス人権宣言は自由・平等、国民主権、人権保障と権力分立を掲げた。

したがって、宣言の時点で女性や奴隷とされた人々を含むすべての人の権利が実際に実現した。

答えを1つ選んでください

T8の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:自由や平等を宣言しても、その時点で女性や奴隷とされた人々を含む全員の権利が実現したわけではない。

どこを確かめる?

1776年のアメリカ独立宣言、1789年のフランス人権宣言についての前半は正しいです。誤りは「したがって」以降の飛躍にあります。

理由を説明してみよう

掲げられた理念と当時の社会の実態は別です。宣言が持つ歴史的意義を認めることと、保障から排除された人々がいたことを理解することは両立します。

第5講の解説で復習する

T9 自由権と社会権

自由な契約の下でも経済力の差によって不利な条件を受け入れざるを得ない人がいるため、国家の積極的な働きによる生活の保障が重視された。

1919年のワイマール憲法は社会権を明文化したので、以後は自由権を保障する必要がなくなった。

答えを1つ選んでください

T9の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:社会権が重視されるようになっても、自由権の保障は引き続き必要である。

どこを確かめる?

経済力に差があれば、契約の形式が自由でも不利な条件を受け入れざるを得ない場合があります。生活を支える国家の積極的な役割が求められた背景を押さえます。

理由を説明してみよう

1919年のワイマール憲法は社会権の明文化で重要です。ただし社会権が自由権を置き換えたわけではありません。生活保障と不当な干渉からの自由は、どちらも必要です。

第5講の解説で復習する

正誤③ 憲法の成立・改正|T10〜T13・4問

T10 公布と施行

日本国憲法は、GHQ草案をもとに日本政府が改正案を作成し、帝国議会での審議・修正を経て、大日本帝国憲法の改正手続によって成立した。

1946年11月3日に施行され、1947年5月3日に公布された。

答えを1つ選んでください

T10の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:1946年11月3日に公布、1947年5月3日に施行された。

どこを確かめる?

成立過程と旧憲法の改正手続を用いた点は正しいです。訂正するのは公布・施行の日付の組合せです。

理由を説明してみよう

公布は正式に広く知らせること、施行は効力が生じること。文化の日が11月3日、憲法記念日が5月3日であることも手がかりになります。

第6講の解説で復習する

T11 三大原理と象徴天皇制

日本国憲法の基本原理は国民主権・基本的人権の尊重・平和主義である。

旧憲法が天皇主権と法律の範囲内での権利保障を定めたのに対し、日本国憲法は基本的人権を永久の権利として保障する。

天皇は日本国と日本国民統合の象徴で、その地位は国民の総意に基づき、国政に関する権能をもたない。

答えを1つ選んでください

T11の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:国民主権・基本的人権の尊重・平和主義が基本原理。天皇は象徴で、国政に関する権能をもたない。

どこを確かめる?

旧憲法の天皇主権や法律の範囲内の権利保障と対比します。現在の天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づきます。

理由を説明してみよう

国事行為を行うことは政治的決定権を持つことではありません。例えば内閣総理大臣の任命も、天皇が候補者を自由に選ぶのではなく国会の指名に基づきます。

第6講の解説で復習する

T12 憲法改正の発議

日本国憲法は通常の法律より厳しい改正手続を定める硬性憲法である。

憲法改正の発議には各議院の出席議員の3分の2以上の賛成が必要であり、参議院が反対しても衆議院だけで発議できる。

答えを1つ選んでください

T12の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:各議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要であり、衆議院だけでは発議できない。

どこを確かめる?

訂正は二つです。「出席議員」を「総議員」へ直し、「衆議院だけ」を「両議院で条件を満たす」へ直します。硬性憲法という前半は正しいです。

理由を説明してみよう

通常の法律案で認められる衆議院の再可決の仕組みを、憲法改正に持ち込んではいけません。資料問題でも分母が総議員であることが決め手になります。

第6講の解説で復習する

T13 国民投票と公布

憲法改正の国民投票では、賛成票と反対票の合計の過半数の賛成が必要であり、半分ちょうどでは承認されない。

承認後は天皇が国民の名で公布する。

天皇の国事行為には内閣の助言と承認が必要であり、その責任は内閣が負う。

答えを1つ選んでください

T13の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:賛成票と反対票の合計の過半数で承認され、天皇が国民の名で公布する。国事行為の責任は内閣が負う。

どこを確かめる?

過半数は半分を超えることです。賛成50票・反対50票なら承認されません。無効票や投票しなかった人を分母に加えない点にも注意します。

理由を説明してみよう

天皇が公布するからといって改正の可否を決めるわけではありません。内閣の助言と承認、内閣の責任をセットで押さえます。

第6講の解説で復習する

正誤④ 権利の分類と社会権|T14〜T17・4問

T14 自由権・参政権・請求権

自由権には、思想・良心、信教、表現、学問などの精神の自由、適正な手続・令状・黙秘などに関わる人身の自由、居住・移転、職業選択、財産権などの経済活動の自由がある。

選挙権・被選挙権は参政権であり、請願や裁判を受ける権利などとは区別される。

答えを1つ選んでください

T14の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:精神・人身・経済活動の自由は自由権。選挙権・被選挙権は参政権。

どこを確かめる?

何を守る権利かを具体例から考えます。思想や信仰は精神、逮捕・刑事手続は人身、職業や財産は経済活動に関係します。

理由を説明してみよう

請願や裁判を受ける権利などは、権利を守るため国に一定の行為を求める請求権として整理します。すべてを自由権に入れないようにしましょう。

第6講の解説で復習する

T15 生存権と教育を受ける権利

憲法25条の生存権は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利であり、生活保護法などによって具体化される。

26条は能力に応じてひとしく教育を受ける権利を保障し、子が教育を受ける権利と、保護者が子に普通教育を受けさせる義務とは区別される。

答えを1つ選んでください

T15の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:25条の生存権は法律等で具体化され、26条では子の教育を受ける権利と保護者の義務を区別する。

どこを確かめる?

生存権は単に命が維持されればよいという保障ではなく、健康で文化的な最低限度の生活を目指します。生活保護法などが具体的な制度を定めます。

理由を説明してみよう

憲法上の教育の義務は、保護者が子に普通教育を受けさせる義務です。「子ども自身の義務」と取り違えず、権利と義務の主体を確認します。

第6講の解説で復習する

T16 労働基本権

憲法27条の勤労の権利と、28条の団結権・団体交渉権・団体行動権は社会権に分類される。

28条の三つの権利を労働基本権といい、組合をつくること、使用者と交渉すること、集団で行動することを区別して捉える。

答えを1つ選んでください

T16の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:団結権・団体交渉権・団体行動権は、28条の労働基本権である。

どこを確かめる?

組合をつくるのが団結権、使用者と労働条件を交渉するのが団体交渉権、ストライキなど集団で行動するのが団体行動権です。

理由を説明してみよう

労働者が一人では交渉しにくい状況を考えると、三つの役割がつながります。27条の勤労の権利とともに社会権に分類されます。

第6講の解説で復習する

T17 国家賠償と刑事補償

公務員の不法行為による損害について国などに賠償を求める権利は刑事補償請求権であり、刑事手続で抑留・拘禁された後に無罪判決を受けた場合の補償を求める権利は国家賠償請求権である。

いずれも具体的な要件は法律で定められる。

答えを1つ選んでください

T17の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:公務員の不法行為による損害は国家賠償請求権、抑留・拘禁後の無罪に伴う補償は刑事補償請求権。

どこを確かめる?

二つの名称が逆です。公務員の職務上の違法な行為で損害を受けた場面と、刑事手続で身体を拘束された後に無罪となった場面を分けます。

理由を説明してみよう

刑事補償は公務員の違法行為を当然の前提とする制度ではありません。いずれも法律の定める要件によるという最後の記述は正しいです。

第6講の解説で復習する

正誤⑤ 新しい人権と義務|T18〜T21・4問

T18 公共の福祉

憲法13条は個人の尊重と生命・自由・幸福追求に対する権利を定める。

公共の福祉は人権相互の衝突を調整する原理であるため、政府が「社会のため」と説明すれば、制限の必要性や程度を問わず個人の権利を制限できる。

答えを1つ選んでください

T18の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:「社会のため」という説明だけで制限は正当化されず、必要性や程度などを検討する。

どこを確かめる?

13条の説明と人権相互の衝突を調整するという説明は正しいです。誤りは政府に無制限の制限を認める結論です。

理由を説明してみよう

表現の自由と他人の名誉・プライバシーが衝突する場合には調整が必要です。しかしそれを理由に政府批判を一律に禁止できるわけではありません。

第6講の解説で復習する

T19 プライバシーと自己決定権

プライバシーの権利は私生活や自分に関する情報を不当に公開・利用されない権利であり、自己決定権は自分の生き方に関わる一定の私的事項を自ら決める権利である。

いずれも主に憲法13条を根拠として論じられ、明文がなくても既存の条文から導かれる新しい人権に数えられる。

答えを1つ選んでください

T19の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:私生活や個人情報を守る権利と、一定の私的事項を自ら決める権利を区別する。

どこを確かめる?

プライバシーの権利は情報の不当な公開・利用などからの保護、自己決定権は自分の生き方に関する一定の事項の選択に着目します。

理由を説明してみよう

どちらも主に13条に根拠を求めて論じられます。「新しい」は憲法と無関係という意味ではなく、既存の条文の解釈を通じて主張されるということです。

第6講の解説で復習する

T20 知る権利と環境権

知る権利は主に憲法21条の表現の自由と結びつき、行政情報を入手できる情報公開制度は政治を監視し判断するために重要である。

一方、環境権は新しい人権なので、13条や25条などの既存の条文とは関係なく主張される。

答えを1つ選んでください

T20の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:環境権も、13条や25条などの既存の条文との関係で論じられる。

どこを確かめる?

知る権利と21条の表現の自由、情報公開制度の重要性についての前半は正しいです。環境権だけ憲法と無関係とする後半を訂正します。

理由を説明してみよう

新しい人権は、名称が条文にそのまま書かれていなくても憲法上の根拠を求めて論じられます。環境権があらゆる場面で具体的な請求権として認められる、という意味ではありません。

第6講の解説で復習する

T21 三大義務と99条

国民の三大義務は、子に普通教育を受けさせる義務・勤労の義務・納税の義務である。

また、憲法99条は、天皇や国務大臣などではなく、一般の国民だけを憲法尊重擁護義務の対象として列挙している。

答えを1つ選んでください

T21の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:99条は天皇・摂政・国務大臣・国会議員・裁判官その他の公務員を列挙しており、一般国民だけを列挙する規定ではない。

どこを確かめる?

子に普通教育を受けさせる義務・勤労・納税という三大義務の説明は正しいです。99条の義務の対象を取り違えています。

理由を説明してみよう

憲法で国家権力を制限する立憲主義と結びつけましょう。権力を担う側が憲法を守ることと、国民の三大義務は区別して整理します。

第6講の解説で復習する

正誤⑥ 平等と表現の自由|T22〜T25・4問

T22 形式的平等と実質的平等

法の下の平等は合理的な理由のない差別を禁じるものであり、形式的平等は同じ基準・ルールの適用に着目する。

実質的平等は全員の結果を必ず同一にすることを意味するため、文字を読みにくい人にだけ拡大版の資料を用意する措置は不平等である。

答えを1つ選んでください

T22の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:実質的平等は不利な条件を調整する考え方で、全員の結果を同一にすることではない。必要な人への拡大版は、それだけで不平等とはいえない。

どこを確かめる?

二つの誤りを直します。同じ資料でも小さな文字を読めなければ、情報を得る機会は同じになりません。形式だけでなく実際の条件を考えます。

理由を説明してみよう

拡大版は問題を読めるようにする配慮であって、点数や答えを同じにする措置ではありません。異なる扱いの目的と合理性を説明しましょう。

第7講の解説で復習する

T23 二つの違憲判決

尊属殺重罰規定違憲判決(1973年)は、直系尊属を殺した場合の法定刑を著しく重くしていた旧刑法200条を14条に反すると判断した。

旧優生保護法違憲判決(2024年7月3日)は、障害などを理由とする不妊手術に関わる規定を13条・14条1項に違反するとした。

答えを1つ選んでください

T23の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:尊属殺重罰規定は14条、旧優生保護法の対象規定は13条・14条1項に反するとされた。

どこを確かめる?

1973年の判決では刑罰の差が著しく不合理であること、2024年7月3日の判決では本人の意思に反する身体への侵襲と不合理な差別が問題です。

理由を説明してみよう

どちらも違憲ですが、争われた対象は異なります。尊属殺について加重する区別自体をすべて否定した、という一般化もしないようにしましょう。

第7講の解説で復習する

T24 検閲の意味

表現の自由は自己実現と民主政治を支え、異なる意見に接することは政治を判断するためにも重要である。

検閲は憲法21条で禁止されるが、出版前の確認であれば、行政権による審査か民間の編集部による確認かを問わず、すべて憲法上の検閲になる。

答えを1つ選んでください

T24の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:発表前の確認がすべて検閲なのではない。行政権による網羅的・一般的な事前審査と発表禁止の仕組みなどを確認する。

どこを確かめる?

検閲は21条で禁止されます。行政機関が表現物を事前に広く審査し、不適当とするものの発表を止めることが典型です。

理由を説明してみよう

編集部が誤字や内容を確認することは、事前の確認というだけで憲法上の検閲にはなりません。誰が・いつ・どのように制限するかが重要です。

第7講の解説で復習する

T25 SNS削除と私人間の問題

政府からの指示を受けていない私企業が、利用規約に基づいてSNSの投稿を削除したとしても、それを直ちに憲法上の検閲と同一視できない。

ただし、私人間の行為であることだけで問題がなくなるわけではなく、契約や不法行為などの法律と人権の趣旨を踏まえて考える。

答えを1つ選んでください

T25の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:私企業による削除を直ちに検閲と同一視できないが、契約・不法行為などの問題は別に検討する。

どこを確かめる?

行政権による事前審査と、政府の指示を受けない民間SNSによる投稿削除を分けます。主体や時点が違う点に注目します。

理由を説明してみよう

「検閲でない」から「必ず適法」とはなりません。利用規約や契約、利用者や他人の権利を踏まえて判断する必要があります。

第7講の解説で復習する

正誤⑦ 刑事手続の保障|T26〜T28・3問

T26 令状を発する人

逮捕や捜索・差押えなどには原則として令状が必要であり、現行犯逮捕などには例外がある。

令状主義の下では、事件をよく知る捜査担当の警察官が、裁判官に代わって令状を発行できる。

答えを1つ選んでください

T26の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:令状を発するのは裁判官であり、捜査担当の警察官が代わって発行することはできない。

どこを確かめる?

捜査をする側とは別の立場から強制処分を確認するため、原則として裁判官の令状を求めます。事件をよく知っていることは、令状発付の権限の根拠になりません。

理由を説明してみよう

現行犯逮捕などの例外があるという前半は正しいです。例外と、警察官に令状発付権限があるという説明を混同しないでください。

第7講の解説で復習する

T27 自白に関する二つの保障

黙秘権は自己に不利益な供述を強要されない権利であり、拷問は禁止され、強制などによる自白は証拠にできない。

ただし、強制されずにした自白であれば、それが本人に不利益な唯一の証拠でも有罪にできる。

答えを1つ選んでください

T27の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:任意の自白でも、本人に不利益な唯一の証拠であれば、それだけで有罪にできない。

どこを確かめる?

強制等による自白を証拠にできないことと、自白だけで有罪にできないことは別の保障です。前半が正しくても後半が誤りなので全体は×になります。

理由を説明してみよう

人は強制されなくても事情によって事実と違うことを認める可能性があります。「どう得た自白か」と「ほかの証拠があるか」の二段階で考えましょう。

第7講の解説で復習する

T28 罪刑法定主義と遡及処罰

罪刑法定主義は、どの行為が犯罪で、どの刑罰を科すかをあらかじめ法律で定める原則である。

行為時に適法だった行為を後からつくられた法律で処罰する遡及処罰は、憲法39条で禁止される。

答えを1つ選んでください

T28の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:犯罪と刑罰はあらかじめ法律で定め、行為時に適法だった行為の遡及処罰は禁止される。

どこを確かめる?

昨日まで適法だった行為を、今日つくった刑罰法規でさかのぼって罰することはできません。人が何をしてよいか予測できることを守る原則です。

理由を説明してみよう

罪刑法定主義と39条の遡及処罰禁止を結びつけます。すでに犯罪だった行為の手続の変更まで、すべて同じ話に広げないようにしましょう。

第7講の解説で復習する

正誤⑧ 政教分離と重要判例|T29〜T33・5問

T29 信教の自由と政教分離

信教の自由には、信仰する自由だけでなく、信仰しない自由や宗教的行為への参加を強制されない自由も含まれる。

政教分離は国家の宗教的中立を保つための原則であり、宗教団体が政治的意見を述べることを一律に禁止する原則ではない。

答えを1つ選んでください

T29の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:信仰しない自由も保障され、政教分離は宗教団体の政治的発言を一律に禁止するものではない。

どこを確かめる?

信じる自由だけでなく、宗教的行為への参加を強制されない自由も含まれます。国家が特定の信仰を強制すれば、その自由が損なわれます。

理由を説明してみよう

政教分離は国家と宗教の関係を規律する原則です。宗教団体が政策に賛否を述べることまで一律に禁じる、と対象を広げないでください。

第7講の解説で復習する

T30 津地鎮祭と愛媛玉串料

津地鎮祭訴訟(1977年)では、市による体育館建設の神式地鎮祭への公費支出が違憲とされ、愛媛玉串料訴訟(1997年)では、県による神社への玉串料等の公費支出が合憲とされた。

宗教に関係する行為は、その外見だけで合憲・違憲を判断できる。

答えを1つ選んでください

T30の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:津地鎮祭は合憲、愛媛玉串料は違憲。外見だけでなく目的や効果などを踏まえて判断する。

どこを確かめる?

三点を訂正します。津地鎮祭の結論、愛媛玉串料の結論、そして外見だけで判断できるという説明です。

理由を説明してみよう

津地鎮祭では世俗的目的等、愛媛玉串料では宗教的意義や特定宗教への援助等が認められました。ただし政教分離の全事件を同じ基準だけで機械的に処理するわけではありません。

第7講の解説で復習する

T31 薬事法の距離制限

薬事法距離制限違憲判決(1975年)は、薬局開設の距離制限が職業選択の自由に対して必要かつ合理的な規制とはいえないと判断した。

したがって、この判決は経済活動の自由に対するすべての法規制を否定したものである。

答えを1つ選んでください

T31の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:当該距離制限を違憲としたのであり、経済活動の自由へのあらゆる法規制を否定したわけではない。

どこを確かめる?

1975年の判決は、薬局の距離制限が職業選択の自由に対して必要かつ合理的とはいえないとしたものです。前半の説明は正しいです。

理由を説明してみよう

医薬品の安全管理などのために合理的な規制が必要な場合もあります。一つの規制の違憲判断から、すべての規制が違憲だと広げないことが大切です。

第7講の解説で復習する

T32 朝日訴訟とプログラム規定説

朝日訴訟(1967年)は原告の死亡で終了したが、最高裁は傍論で、憲法25条だけから直ちに個別の具体的給付請求権が生じると述べた。

25条を国の政治的・道義的責務を示すものとする説は、プログラム規定説である。

答えを1つ選んでください

T32の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:最高裁は傍論で、25条だけから直ちに個別の具体的給付請求権が生じるわけではないと述べた。

どこを確かめる?

原告死亡による訴訟終了は正しく、具体的な給付請求権に関する説明が逆です。最高裁が本人の求める給付を本案判決で認めたわけではありません。

理由を説明してみよう

プログラム規定説の説明は正しいです。ただし学説の名称と判例の具体的内容を同一視せず、法律に基づく請求まで否定するものとも考えないでください。

第7講の解説で復習する

T33 堀木訴訟と裁量の限界

堀木訴訟(1982年)は、障害福祉年金と児童扶養手当の併給禁止規定を合憲とし、社会保障の制度設計に広い立法裁量を認めた。

ただし、立法裁量があることは、著しく合理性を欠くなど裁量の限界を超える場合まで、裁判所が審査できないことを意味しない。

答えを1つ選んでください

T33の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:当時の併給禁止規定は合憲。立法裁量は広いが、限界を超える判断まで審査できないわけではない。

どこを確かめる?

社会保障の制度設計には財政やほかの給付との関係など多くの判断が必要で、国会に広い判断の幅が認められます。

理由を説明してみよう

裁量は無制限ではありません。著しく合理性を欠く場合等は限界が問題になります。また現在のすべての給付の併給が禁止されると一般化しないでください。

第7講の解説で復習する

正誤⑨ 国際人権保障|T34〜T36・3問

T34 世界人権宣言と国際人権規約

1948年に国連総会で採択された世界人権宣言は、それ自体が条約として各国に法的義務を課した。

1966年採択の国際人権規約は、社会権規約(A規約)と自由権規約(B規約)を柱とし、日本は両規約を1979年に批准した。

答えを1つ選んでください

T34の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:世界人権宣言そのものは条約ではなく、条約として各国に法的義務を課したわけではない。

どこを確かめる?

1948年の宣言は人権の共通基準として重要です。しかし宣言と条約の法的な性質を同じにしてはいけません。

理由を説明してみよう

1966年採択の国際人権規約は条約です。Aが社会権、Bが自由権で、日本の両規約批准は1979年。この後半は正しい説明です。

第7講の解説で復習する

T35 女性と子どもの権利条約

女子差別撤廃条約は1979年に採択され、日本は1985年に締結した。

子どもの権利条約は1989年に採択され、日本は1994年に批准した。

後者は子どもを保護の対象としてだけでなく、権利の主体としても捉える。

答えを1つ選んでください

T35の解答・解説を開く

正解:○ 全体が正しい

訂正・根拠の例:女子差別撤廃条約は1979年採択・1985年日本締結、子どもの権利条約は1989年採択・1994年日本批准。

どこを確かめる?

国際社会で文書が採択された年と、日本が締結・批准した年を区別しましょう。女子差別撤廃条約は女性差別撤廃条約とも呼ばれます。

理由を説明してみよう

子どもは保護されるだけの存在ではなく権利の主体でもあります。保護と、本人の意見や権利の尊重を両方考えることが重要です。

第7講の解説で復習する

T36 外国人の人権と履行確認

基本的人権は人としての権利なので、外国人にもすべての権利が日本国民と全く同じように保障される。

また、国際人権条約には、締約国の政府報告を専門家の委員会が審査する仕組みなどがある。

答えを1つ選んでください

T36の解答・解説を開く

正解:× 誤りを含む

訂正・根拠の例:外国人にも性質上適用できる基本的人権は及ぶが、すべて日本国民と全く同じとは限らない。

どこを確かめる?

例えば国政選挙の選挙権は、日本国民に認められる権利です。反対に「外国人には人権が一切ない」とする説明も誤りです。

理由を説明してみよう

後半の、政府報告を専門家の委員会が審査する仕組みは正しいです。国際人権保障には、条約を結んだ後の履行を確認する仕組みもあります。

第7講の解説で復習する

資料① 憲法改正の二つの段階|D1-1〜D1-2・2問

D1-1 発議できる案の組合せ

資料1 各改正案に対する両議院の議決
案衆・総議員衆・出席衆・賛成参・総議員参・出席参・賛成
Ⅰ300240200180150120
Ⅱ300270210180120110
Ⅲ300210195180160125

数字は計算練習のための架空の設定で、実際の議員定数ではありません。各案は独立に議決し、発議に必要な賛成数だけを判定します。単位は人です。

資料1のうち、憲法改正の発議に必要な賛成数の条件を両議院で満たす案をすべて挙げたものとして、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D1-1の解答・解説を開く

正解:3

① まず何を確かめる?

衆議院は300×2/3=200人以上、参議院は180×2/3=120人以上。出席議員数は分母に使いません。

② 答えまでの考え方

Ⅰは200・120で両方達成。Ⅱは参議院110で不足。Ⅲは衆議院195で不足。したがってⅠのみです。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①はⅡを含むため誤り。②は条件未達のⅡ・Ⅲだけを選んでいます。④はⅢを含むため誤りです。片方だけ条件を満たしても発議できません。

第6講の解説で復習する

D1-2 承認の判定と公布

資料2 発議を経て実施した国民投票
投票権者総数賛成票反対票無効票
100万人35万票32万票8万票

数値は架空で、これら以外の票はありません。承認に必要な賛成票の条件だけを判定します。

資料2の結果と、その後の手続に関する記述として、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D1-2の解答・解説を開く

正解:4

① まず何を確かめる?

最初に、国会の発議と国民投票の承認を分けます。承認では賛成35万+反対32万=67万票を分母にします。

② 答えまでの考え方

67万の半分は33.5万。35万はこれを超えるため承認されます。天皇は国民の名で公布し、この国事行為には内閣の助言と承認が必要で、責任は内閣が負います。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①は投票権者総数、②は無効票を含む総数を分母にした誤りです。③は承認の計算は正しいものの、天皇に最終的な政治決定権を認めた点が誤りです。

第6講の解説で復習する

資料② 表現の自由と情報の公開|D2-1〜D2-2・2問

D2-1 検閲と表現の自由

資料1 情報の発信を制限する二つの事例
事例内容
X国の行政機関が、すべての政治批評の発表前の提出を義務づけ、内容を審査し、不適当と認めたものの発表を禁止した。
Y民間のSNS運営会社が、政府からの指示を受けず、利用規約に基づき、他人の私生活に関する投稿を公開後に削除した。

事例は学習用の架空の設定です。

  • ア Xは、主体・審査の時期・審査と禁止の仕組みから、憲法上の検閲に当たる。
  • イ Yは私企業の行為なので、契約や不法行為などの観点からも問題になることはない。
  • ウ Xのように政治批評の発表が禁じられると、異なる意見を比較して政治を判断することが難しくなる。

資料のア〜ウのうち適当な記述をすべて含む組合せを、一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D2-1の解答・解説を開く

正解:1

① まず何を確かめる?

Xは行政機関が主体で、発表前に政治批評を網羅的・一般的に審査し、不適当な内容の発表を禁止しています。アは正しいです。

② 答えまでの考え方

Yは政府の指示を受けない民間企業の公開後の削除です。直ちに検閲とは同一視できませんが、契約や不法行為の問題がなくなるわけではないのでイは誤りです。

③ 他の選択肢はどこが違う?

ウは正しいです。政治批評を発表できなければ、国民が多様な意見を比べることが難しくなります。正しいのはアとウ。②・③・④はいずれも誤りのイを含みます。

第7講の解説で復習する

D2-2 件数と割合・人権の調整

資料2 ある自治体の情報公開の決定件数
年度全部開示部分開示非開示合計
A年度403030100
B年度9090120300

数値は架空で、1件を一つの区分だけに数えます。「何らかの開示」は全部開示と部分開示の合計です。各決定の理由は表には示されていません。

資料2と学習内容を踏まえた記述として、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D2-2の解答・解説を開く

正解:2

① まず何を確かめる?

「何らかの開示」は全部開示+部分開示。A年度は40+30=70件、B年度は90+90=180件で、件数は増えています。

② 答えまでの考え方

割合はA年度70/100=70%、B年度180/300=60%。合計件数も増えているため、開示件数が増えても割合は下がります。知る権利とプライバシーの調整も必要です。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①は割合も増えたという計算と、人権侵害の減少を断定する点が誤り。③は理由を示さない表から非開示の違法性を断定しています。④は割合の計算だけは正しくても、私生活情報の例外なき公開という結論が誤りです。

第7講の解説で復習する

資料③ 平等を数字と判例から考える|D3-1〜D3-2・2問

D3-1 分母の確認と平等の考え方

資料1 資料の形式を変える前後の状況
参加者の区分人数確認できた人数・変更前確認できた人数・変更後
通常版で支障のない人605454
拡大版の配慮が必要な人20818
読み上げの配慮が必要な人20416

同じ100人の架空の結果です。三つの区分に重複はありません。変更前は全員に通常版だけを配り、変更後は必要な人に拡大版や読み上げを用意しました。

生徒のメモ:配慮が必要な参加者全体に占める、内容を確認できた人の割合は[ア]となった。今回の対応は、一律に同じ資料を配るだけでなく、情報を得るうえでの不利な条件を調整する[イ]に着目したものといえる。

次のメモの[ア]・[イ]に入るものの組合せとして、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D3-1の解答・解説を開く

正解:4

① まず何を確かめる?

問われているのは「配慮が必要な参加者全体」のうちの割合です。分母は全100人ではなく、拡大版20人+読み上げ20人=40人です。

② 答えまでの考え方

変更前は(8+4)/40=30%。変更後は(18+16)/40=85%。不利な条件を調整して情報を得る機会を保障する考え方は実質的平等です。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①・③の12%→34%は100人を分母にした計算で、問いと合いません。②は数値は正しいものの形式的平等との組合せが誤りです。拡大版等の用意は結果の点数を全員同じにすることでもありません。

第7講の解説で復習する

D3-2 判例の結論と判断の範囲

資料2 異なる取扱いが問題になった規定
記号最高裁で争われた対象
X親などの直系尊属を殺した場合の法定刑を著しく重くしていた旧刑法200条。
Y障害などを理由とする不妊手術に関わる旧優生保護法の規定。
Z障害福祉年金と児童扶養手当の併給を禁止していた規定。

資料2に関する説明として、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D3-2の解答・解説を開く

正解:3

① まず何を確かめる?

Xは尊属殺重罰規定違憲判決、Yは旧優生保護法違憲判決、Zは堀木訴訟です。まず争われた対象から事件を特定します。

② 答えまでの考え方

Xは著しく不合理な刑罰の差で14条違反。Yは13条と14条1項に違反。Zは当時の併給禁止規定を合憲とし、社会保障制度に関する広い立法裁量を認めました。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①はXを財産権の事件とした点、②はYの14条1項との関係を否定した点が誤り。④は立法裁量を無制限に広げています。異なる取扱いがあるかだけでなく、合理性と裁量の限界を検討します。

第7講の解説で復習する

資料④ 判例の対象・結論・理由|D4-1〜D4-2・2問

D4-1 結論と判断のしかた

資料1 宗教に関わる公費支出の比較
事例争われた対象判断理由
X・1977年市が体育館建設に際して行った神式の地鎮祭と公費支出。目的は世俗的で、宗教を援助・促進する効果とは認められない。
Y・1997年県による神社への玉串料等の公費支出。宗教的意義があり、特定宗教への援助などになる。

判決文の引用ではなく、学習用に内容を整理した資料です。

資料1に関する記述として、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D4-1の解答・解説を開く

正解:2

① まず何を確かめる?

Xは1977年の津地鎮祭訴訟、Yは1997年の愛媛玉串料訴訟。公費支出と宗教という共通点だけで同じ結論にしないことが出発点です。

② 答えまでの考え方

Xは世俗的な目的等が認められ合憲。Yは宗教的意義や援助等が認められ違憲。宗教との外見上の関係だけでなく、目的と効果に着目して区別します。

③ 他の選択肢はどこが違う?

①は結論が逆です。③はYの結論と効果を考慮しない点、④はXの結論と一律禁止という説明が誤りです。なお、政教分離の全事件を一つの基準で機械的に判断するわけではありません。

第7講の解説で復習する

D4-2 裁量の主体と限界

資料2 生存権に関わる二つの判例メモ
メモ整理した内容
P原告の死亡で訴訟は終了した。最高裁は傍論で、25条から直ちに個別の具体的給付請求権が生じるわけではないことや、保護基準についての行政の裁量とその限界を述べた。
Q障害福祉年金と児童扶養手当の併給禁止規定を合憲とし、社会保障の制度設計について広い立法裁量を認めた。

判決文の引用ではなく、学習用に内容を整理した資料です。

資料2の理解として、最も適当なものを一つ選ぼう。

答えを1つ選んでください

D4-2の解答・解説を開く

正解:1

① まず何を確かめる?

原告死亡で訴訟終了というPは朝日訴訟、併給禁止規定というQは堀木訴訟です。似た分野の事件でも対象を手がかりに区別します。

② 答えまでの考え方

Pでは保護基準に関する行政の判断の幅、Qでは制度設計に関する国会の立法裁量が問題です。主体は異なりますが、いずれも無制限の裁量ではありません。

③ 他の選択肢はどこが違う?

②は事件名が逆で、両方が原告死亡で終了した点も誤り。③は朝日訴訟の傍論を、具体的給付を認めた本案判決に置き換えています。④は著しく合理性を欠く場合まで審査を否定した点が誤りです。

第7講の解説で復習する

演習後のまとめ:次に何を復習する?

多数決と、内容の正当性を分ける

多数決で決まっても、人権侵害が無条件に正当化されるわけではありません。立憲主義と一般意志は別の概念として整理します。

似た言葉は、主体と場面で区別する

国家賠償と刑事補償、形式的平等と実質的平等、行政裁量と立法裁量。誰が何をする場面なのかを、一文で説明してみましょう。

判例は「対象・結論・理由」

合憲・違憲だけを暗記せず、何が争われ、その条件でなぜその判断になったのかを確認します。「一つの規制が違憲」から「規制は全部違憲」へ広げないことも大切です。

資料から言えることの限界を考える

計算が合っていても、資料にない因果関係を断定すれば誤りになります。根拠のない「必ず」「すべて」に注意し、問題文に戻って条件を確かめましょう。

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